こんにちは。最近、夜9時には眠くなる、とーるです!
先日、新田次郎著「八甲田山死の彷徨」を読み終えました。。雪山での大遭難。過酷な大自然の中での描写には心がずーーンと重くなりました。大遭難の描写もさることながらビジネスにも通ずるものがあるなーーってこと。
ちなみに「八甲田山死の彷徨」は青森県八甲田山における山岳遭難事故(八甲田雪中行軍遭難事件)を題材として新田次郎が執筆した山岳小説です。あらすじとしては日露戦争の前、軍事訓練の一環として行われた真冬の八甲田山の雪中行軍。青森5連隊と弘前31連隊の2つの隊がそれぞれ青森、弘前を出発し途中ですれ違おう!と誓ったけど叶わず。青森5連隊は210名中199名の死者をだし、弘前31連隊は11日間にわたる全行程を踏破します。過酷な自然と人間模様が描かれている長編小説です。
ビジネスにも通ずるものがある「八甲田山死の彷徨」

過酷な雪の八甲田山を踏破するには事前準備を怠ってはいけません。それはあたかも、目まぐるしく変わるビジネスの世界を渡り歩いていくことに通ずるものがあるなーーって。
弘前31連隊が雪中行軍を成功させた理由
弘前から11日間をかけて210キロを踏破した徳島大尉が率いる弘前第31連隊。その偉業をなしとげた理由は、ざっくりいえば事前準備をしっかりし、頼るものは頼ったからではないかなと。。
〇事前準備で下調べをし、八甲田山の怖さを知り、装備、指揮系統にこだわった弘前31連隊の徳島大尉。
〇ルートを入念に調べ、雪中行軍に参加する者に条件(行軍の一部を道案内できる。雪山に精通している。身長五尺三寸以上)をつけ装備にもこだわった。
〇雪山においてはひとりでもけが人や病人がでると隊にとって重荷になることも知っていた。
〇その道に詳しい案内人をたて、夜は民宿にたよる。
〇小隊編成にし少数精鋭にする
〇装備はできるだけ軽くして物資などはひとまとめに持つことはしなかった。必要物資も行く先々で買い求めた。
〇握り飯や水筒を凍らせない工夫、疲れにくい歩き方、凍傷予防の方法のシェアなどができていた。
〇装備も耳あて、襟巻などは今度の雪中行軍のために準備。
〇案内人が餅を焼いて腹巻に入れてる体を冷やさず餅も凍ることがないと知るやいなや、隊員全員に同じようにすことを命じたり、いいと思うものはすぐに取り入れた。

青森第5連隊が遭難し多くの犠牲者をだした理由
リーダーが2人いるとうまくいかない。このことが大きかったのではと個人的には思ってしまいます。。
〇弘前第31連隊と同じ小隊だと個性が出ないだろうと、中隊編成で臨む。荷物も多く橇(そり)も14台。
〇八甲田山に関しての的確な情報やきびしさなどをシェアできていなかった。隊員たちは雪中行軍を楽観視していた。
〇雪中行軍を任される神田大尉の上司にあたる山田少佐も監査役として同行。ところが指揮権をもたないはずの山田少佐も途中から指示をしたりして指揮系統が崩れる。
〇案内人なし
〇貧弱な装備、また知識も欠落していたため握り飯や水筒の水も凍っていたりした。
〇神田大尉と山田少佐の意見の相違しがあちこちに。動けなくなった隊は露営して夜を明かすことにしたが、山田少佐が神田大尉の意見を聞かず真夜中に出発の命令をくだす。
2つの隊を通して思うこと
大きな部隊の青森第5連隊。神田大尉の中間管理職の悲哀のようなものを感じずにはいられません。。しっかりとしたゴールイメージを描きながらも、山田少佐に自分の意見は通らず違う方向へ向かってしまい、死の行軍となってしまった。。過酷な雪山描写もさることながら、このような組織の中での人間関係の葛藤を凄く感じました。
事前準備。隊の大きさ。甘えるところは甘えて自分を過信しない。。など色々とヒントになることがいっぱいです。

雪中行軍のリアルな装備
あとこの作品で心に突き刺さることはすさまじい雪山という大自然の中での装備などの描写です。アウトドアショップですのでそこは気になるところ。ツイッターに気になるところはまとめたのでここでも紹介しますね。
「下士卒には防寒外套二枚を携行させ、凍傷防止のため、靴の中に入れる唐辛子や、軍足の上を覆う油紙を用意させよ。」
…唐辛子は油紙は支給品ではなく各自の任意による携行品であったから、酒保にそれを買い求めに行く者は僅かしかいなかった。#青森第5連隊 #とーる読書メモ#八甲田山死の彷徨 pic.twitter.com/ZwLaV0Q95j— 布施徹【と〜る店長】神戸の山登りのお店 (@gachi1127) 2019年2月21日
靴下を2枚重ねて履き、その上に唐辛子をふりまき、足を油紙で二重に包んでから雪沓を履くと、足指の先が凍傷を受けないこともそれまでの体験で知っていた。#とーる読書メモ#八甲田山死の彷徨 pic.twitter.com/a4zkRlbH4X
— 布施徹【と〜る店長】神戸の山登りのお店 (@gachi1127) 2019年2月20日
案内人たちが餅を焼いて腹巻の中に入れているのを見て、徳島大尉がそうする理由を聞いた。
「なぁに、懐炉がわりです。こうしておけば、下っ腹が冷えないし、餅も凍らない。吹雪の中で出かける時はこうするのが一番いいですよ。」#とーる読書メモ#八甲田山死の彷徨 #ウール腹巻 pic.twitter.com/qtl8sP6OCK— 布施徹【と〜る店長】神戸の山登りのお店 (@gachi1127) 2019年2月20日
よろしければ読んでみて下さいね。
以前に僕も八甲田山へ行きました。マイナス20度で吹雪。寒かったけどなんとかその場に入れたのは進化したアウトドアウェアのおかげ。雪中行軍の当時にメリノウールのベース、フリース、ダウン、完全防水のハードシェル、完全防水の登山靴、保温性の高い手袋、ネックウォーマー、ウールの靴下。。。などがあったら、、なんて思ってしまいます。現代になってアウトドアウェアは進化し、過酷な環境下でもリスクを減らして遊べるようになりました。とってもありがたいことですね。

雪中行軍のときにこのハードシェルがあったらと・・・・・
一番下にはメリノウールを装備してたら。。ってね。
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